どうも、SUYです。
今回は
ペロッティシカクワガタ
Weinreichius perroti
の飼育記録になります。


最近の自分のブログでお馴染みの本種の紹介からしていこうと思います(お馴染みではないか😅)


初入荷は割と最近で、2007年?だったかな?
当時は、新種として入荷してきて業界では大きなニュースとなりました。
よくよく考えてみれば、2007年ってもう最近ではないですね😅


訂正です。
書籍などをよく読み返してしっかり調べると、どうやら初入荷は2006年のようで、そもそも新種ではなく、"珍種"だったようでそれまで標本すらほとんど出回っていなかったような種類だったようです。

それまでは生息地や生態もほとんど知られていない珍種だったのですが、ベトナム南部のダラット近郊で採集できる場所が見つかったそうで、それ以降はコンスタントに入荷していますね。


入荷当初の名前は、"ベトナムニセシカ"だったと思いますね。

ニセシカと呼ばれている通り、本種はシカクワガタ(Rhaetulus属)とは別種で一属一種になります。

(なんせ当方カブクワブリードを始めたてで中学生だったものですから、パソコンで入荷したページを眺めるだけの種類だったのは言うまでもありません💦)


形態的には、これも同時期に初入荷したマキシカクワガタ(Yumikoi makii)と形態やわかっている限りの生態が似ていることから近い種類だと思います。

さらに言うとこの2種類はシカとフタマタの中間的な種類だと言われていますね。飼育していてもそう感じます。

マキシカと比べるとペロッティは頭楯(大顎の付け根の間の部分)が伸びてツノのようになるのが大きな特徴で、大顎も長く伸び最大でも80mmを超えます。



生息地は上記でも述べましたが、ベトナム南部のダラット近郊と限定的なこともありWildの入荷は数年に一度入るかなぁくらいの感じです。
ちなみに最後のWild入荷は2017年夏だったと思います。

そして、このコロナ禍ですよ。
今やベトナム便は入荷皆無となってしまいましたね…。
なので、ベトナムの虫はどれも以前より高値が付いている種が多いです。
(オーベルチュールニセシカやババクルビデンスなんかも以前と比べるとお値段張りますよねぇ)

ペロッティなんか元々流通が少ないこともあり以前より相場が上がっていると思いますね💦

最近はカブクワブームが少し再燃している感もあり、全体的に飼育人口が増えたと感じるのもあるかもしれないですね。
なので、最近飼育を始めた方の中には本種を知らない方も多いのではないかと思います。
(某アーケードゲームでもカード化されていないですしね💦)

そもそもペロッティは元々人気がなかったので飼育している人も結構少なかったんですよ🙄


〜ペロッティシカ飼育概要〜
・ペアリング産卵
休眠から覚め活動開始したらゼリーを食べさせ、落ち着いたらペアリング・産卵可能。
活動後の寿命は意外と長く、半年以上は生きるようだ。

・産卵セット内容
柔らかい材(できれば柔らかくなったバクテリア材)を無添加一次発酵マットを固詰めして埋めるシカクワガタのオーソドックスなセットで問題ない。水分もフタマタクワガタほどシビアになる必要はない。卵や若齢は添加や菌には弱いので、添加マットや新しい植菌材は使用しない方が良い。

・幼虫飼育
若齢での添加マットは厳禁。落ちる可能性が高くおすすめできない。添加マットはできれば3齢以降が望ましい(2齢でも問題ないと思うがよくわからないので今後も調べていく)。
菌糸での飼育も可能だが、これも若齢での投入は避けた方が良い。幼虫期間は温度やエサによって変わるのであくまで目安だが、♀で半年弱〜一年弱。♂で半年〜一年半。


・羽化〜休眠
本種も"シカ"と名がついてるように例に漏れず、羽化後の休眠がある。秋〜冬に羽化した個体は大体次の春〜夏まで寝る。春〜夏に羽化した個体は秋〜初冬(加温していれば)には活動する。休眠期間はタイミングと温度次第だが3ヶ月〜半年くらいだろうか。
多少の羽化ずれは問題ないと思われる。






では、本題に入ります。

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上50mm、下49mm
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50mm

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33mm
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31mm
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30mm

幼虫飼育はデータが乏しく、まともに書けるだけの内容にならないので、割愛します💦

ひとまず、全て23℃で栄養フレークEXを詰めた800ccボトル一本返しですのでサイズは♂で49・50mm、♀で35mmを筆頭に33mm、32mm、31mm2頭、30mm3頭となりました。
圧倒的に♀に偏りました💦



雌雄共に色には個体差があるようで、写真だけではどうもわかりづらいとは思いますが、♂は50mmの方が明るい色で、♀も33mmの個体のように赤みのある個体が数頭いました。
おそらく遺伝すると思うので、♂は50mmを使用し、♀は赤みの強い個体を使用してペアリング、産卵させることにしました。



◯2020年10月6日一頭目♀産卵セット

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中ケースを使用し、かなり古い太めの植菌レイシ材(めちゃくちゃ柔らかかった)と柔らかめのホダ木を産卵一番を固詰めして埋めるオーソドックスなセットで作成しました。尚、季節の変わり目のため温度は19〜24℃で管理。




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このセットでは卵が側面からも見え、このように無事孵化しました。基本は材に産みますが、マットにも産みます。添加がなく粒子の細かい新しい一次発酵のマット(フォーテック製産卵一番がこれに当たります)を使えば確実です。



ちなみに、このセットでは3ヶ月位経ってからもう一度産卵を始めており、その卵が側面から見えていましたが、その卵も無事孵化していました。

そのことからも、ペアリングから3ヶ月は♂の種が残ることが分かりますね。



◯2020年12月26日二頭目産卵セット

中ケースを使用し、ホダ木2本に産卵一番を6〜7割ほど埋め固詰めした少し中途半端な(マットが少し足らなかった)セットです。

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このように材を齧り、その中に一個ずつ産み付けていました。


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卵を割り出した場合は、プリンカップに無添加一次発酵マットを適度に加水しその上に卵を置きます。
基本的には3週間前後で孵化しますが、稀に数ヶ月孵化しないものもありますので、孵らなくても一応捨てない方が良いです。

真ん中の卵は最初に割り出した卵で、左の卵は最初の割り出しから1週間後に見たときに新しく齧られていた産卵痕から割り出した卵です。
日にちが経つと卵が次第に大きくなるのが分かると思います。

本種はフタマタクワガタほど卵が弱くないので、無理に卵で割り出す必要はないと思っています。



◯2021年3月8日一頭目♀産卵セットの割出


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割り出ししようと思ったのですが、マットが全然足りず、仕方なく材の中にいた3齢幼虫4頭のみ割り出ししました。




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割り出したペロッティシカ若い3齢♂幼虫です。頭幅11mmくらいあります。フォルスターフタマタなんかも11mm超えてきますので、これぐらいですかね?



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マットは市販の生オガ発酵マットを使用し、加水して固詰めしたものに♀で800cc、♂で1400ccボトルにそれぞれ投入しました。



実は、さらに少し前の2月に2齢の♂を割り出しし、実験として生オガ発酵マットへ投入しています。

こちらも問題なく成長し、3月中旬に側面に3齢になった姿を見せていました。↓IMG_4721

2齢でも生オガ発酵食べますね!
初齢では落ちることも多かったのであまりおすすめできませんが、2齢からなら大丈夫そうです。
以前にはカワラも試しましたが、上で真っ黒になることが多く、投入タイミングや樹種のこだわりが必要になりそうです。



温度も少しずつ下げていき、これからは18〜20℃で飼育していきます。


羽化してるであろう約一年後にまた会いましょう!!(笑)

ではでは(・ω・)ノ