どうも、SUYです。
今回は、8/10〜8/11伊豆大島にノコギリクワガタを採集しに1泊2日で行ってきました!



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伊豆大島は東京都の伊豆七島の中でも一番大きい島で、比較的都心から近くアクセスしやすい離島として我々のような採集目的でなくとも、離島の雰囲気を存分に味わえることから学生や家族層にも大変人気のある島です。


そんな伊豆大島に生息するクワガタは、
今回目当てのノコギリクワガタ、
本土のミヤマの亜種イズミヤマクワガタ、
コクワガタ、ヒラタクワガタ、ネブトクワガタが知られています(中型種以上のみ記載)。

大島には固有種こそいないものの本土より大型が多く個体数が多いノコギリクワガタと亜種であるイズミヤマクワガタが大島の採集においてはお目当てにされることが多いかと思います。
ここ大島では、クヌギやコナラなど本土でクワガタの付く木はほとんどなく、基本的にはオオバヤシャブシという木に付くようです。離島採集においてはお世話になることの多い樹種だと思います。

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※注意
今回も例に漏れず、持ち帰り個体は極々一部となります。
また、島に生息している個体群ということ、島での採集ということ、近年乱獲などが問題視されていること(その問題はさらに波及し奄美など南西諸島では採集をしているだけで採集者がルールを守っていても悪者扱いされるほどであり離島での昆虫採集自体が世間の風当たりが悪いのが現状でいつ採集禁止になってもおかしくありません)、それだけ考えればここ大島も例外ではないと思われます。私は、地元での採集においてもほとんどの個体は持ち帰りませんし乱獲する気は毛頭ありませんので問題ありませんが、問題は昆虫採集に対して島の人がよく思わないということに他ならないと思います。
また、畑なども含めて他人の敷地には無断で入らないこと。どこでもそうですが、他人の畑や敷地に入り採集を行うことは間違いないなく問題になりますし、採集禁止になる可能性もありますので注意してください。


よって
昆虫採集は、乱獲しない。礼儀と節度を持って行いましょう。


去年の樹皮捲れの時と言い、こんなことを採集記の度に毎回毎回書かなければならないのかと残念なご時世になってしまったものだと思いますね…。
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というわけで、今回は、自分の足のみで大島を歩きポイントを探しながら採集を行いましたので、かなり効率は悪かったかもしれませんが、そうすることで得られたものもあったように思います。

そういった背景もあり今回は観光はほとんどできませんでした。すみません。次行く時は2泊3日は滞在して観光もしたいですね😊

そういった背景もあり、初日はポイントがよく分からず、あまり個体数が見れず苦戦しました。あくまで備忘録程度の採集記にはなりますが島の雰囲気を少しでも感じてもらえればと思います。それでは、採集記へ。



◯2022年8月10日

伊豆大島に行く方法は何通りかあり、今回私が使用した船での移動方法についてお話しします。
私は横浜に住んでいるので、東京竹芝港に出るより熱海からジェット船で行った方が早く値段も安いので、熱海まで東海道線で行き、そこからジェット船に乗って大島まで行く方法を選択しました。基本は午前便(11時発)と午後便の2便あり、今回は朝方の仕事終わりにそのまま向かったので11時発の便で行きました。

熱海からのジェット船は45分で大島に着きます。

ちなみに、大島は港が元町港と岡田港の二ヶ所あり、その日その日によって船の入出港する港が変わるようです。

今回は岡田港でした。

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着いてすぐ、すでにマップなどで目星をつけていたポイントへ向かいます。

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道中、今回初のノコギリクワガタを発見!
サイズは66mmありました!
初っ端から大型が採集できたので、ここで大島のポテンシャルを肌で感じます。
しかしながら、ここではこの個体のみの確認になりました。
後になってみれば、ここでもう少ししっかり探してみるべきでした🤔


そのまま移動してようやく目的地へ到着しました。
…ところがこの目星をつけていたポイントが大外れでして、全くクワガタが見れませんでした笑


唯一、死骸とは言えイズミヤマ♀が見れたのは収穫かもしれませんが、この周辺では他のイズミヤマは死骸すら確認することができませんでした。

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遠くから見た時あっ!となり、近づいてしょんぼりするっていうオチです。タイトルで察しているかもしれませんが、今回の採集ではイズミヤマは残念ながら採集できていません。


この時点でもう既に15時を回っており、かなりの距離を歩いていたので、ヘトヘトでとりあえず町に行って夕食を食べようと向かいながらルッキングを続けていると、ようやく追加のノコギリクワガタを発見しました。

さらっと書いてますけど、12時頃に港に着いてから6時間以上歩きっぱなしだったので、この時点でかなりヘトヘトでした😅


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6時間も歩いてようやく見つけた大島産ノコギリペア。中歯寄りの型だったもののサイズは57mmとこの時点で本土とは違うポテンシャルを感じます。この個体たちはリリースしました。


そのまま、宿に行きチェックインを済ませ(飛び込みで泊まらせていただき本当感謝しかありません…)、夜ご飯をと思ったのですが、どこもお客さんがいっぱいかつかなり並んでおり仕方なく夜ご飯抜きに…


余談ですが、ここ伊豆大島では(というかいくつか離島に行っているので分かりますが離島は大体どこも閉店時間が本土に比べて早いのです)お店が早く閉まるので、夜ご飯ももっと早く食べるか、予め予約しておくか、スーパーなどでご飯を買っておかないと翌日昼近くまでご飯が食べられないなんてことになりますので注意が必要です😅


20分ほど宿で休憩後、そのまま外灯周りに行きました。この時点で時刻は20時前でした。

話逸れるんですが、休憩しようと宿に一度戻ると、オーナーさんから「そういや兄ちゃんはどこに行ったんだい?」と聞かれたので、(クワガタ採集って言ったら嫌そうな顔されるやつかなぁ)と思ってクワガタのことは黙ってたんですが、ロッドが丸見えでそれが天体望遠鏡に見えたらしく、「星見に来たのかい?」と聞かれたので真面目に、趣味でクワガタ採集をしています。まだほとんど見つけられていませんが😅と返すと、意外にも嫌そうな顔一切せず、「少し前に来たお客さんもクワガタ採りに来たって言ってたよ。人気あるんだねぇ😁」って具合であんまりクワガタ採集に対して悪いイメージがない島という感覚でしたね(南の離島なんかと比べてもトラップがあまり有効でない点や好ましい言い方ではないが採集できる虫がお金にならない点を考えればそこまで乱獲されないのでしょう)。その後も島のクワガタの話をしていただいたり少し楽しかったですね。これも大島ならではでしょうか。
それでも、個体数が多いとはいえ島の虫ですから採集量は適切な数持ち帰るようにしましょう。決して乱獲はしないこと。
私は今回の採集でも9割方リリースしています。


長くなってすみません。では、戻ります。




月齢はかなり悪くほぼ満月(満月の2日前)であまり期待はできませんでした。






大島もLEDが多い中で、なんとか死骸の転がっている外灯を見つけしっかり探してみるといましたいました!

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こちらは宿近くの自販機前にて。



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外灯に大型の甲虫が飛んできていたのが見えて、これは大きいのでは?と思いながら目で追うと路面に着地。その瞬間その場所に車が通るも間一髪でセーフでした。64mm。
外灯下では影と相まってより大きく見えます。


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外灯周りでもマムシに遭遇しました😱
噂通りマムシがそれなりにいるようですね。昼間も見かけたのですが、すぐに茂みに隠れてしまったので撮影はできなかったのでここでようやく初お披露目です。その時その直後にTwitterフォロワー(兼大学時代の知り合いでもあるのですが)さんからマムシ多いので気をつけて下さいね。と。
ルッキングしようと林道に入っていたらもっと遭遇したんだろうと思われます😅




そこまで数は多くなかったものの、3時間ほどの散策で雌雄合わせて10頭弱のノコギリが見られ、最大は3枚目の64mmでした。きっと月齢さえ良ければもっと数が見れたんだろうと思うと少し残念ですが、この時点で疲労困憊なのと夜間は効率も落ちてしまうこともあり、明日早朝から最後の採集に向かうことにし、早めに就寝することにしました。


この時点で、早朝行く場所は目星になるポイントがあらかた定まって(というか57mmペアが採れた場所にリベンジしに行くだけなんですが)、期待しながら眠りにつきます。



◯2022年8月11日

2日目、夜仕事があり帰らなければならず、10時の船に乗るため採集時間は9時までとなります。4時半過ぎに起き5時に宿をチェックアウトして最後の採集へ向かいます。イズミヤマはこの時点でポイントが定まらないので完全に捨て、ノコギリ70mm一点狙いで昨日ペアで採集できたヤシャブシ群生ポイントへ向かうことにします。


ところが、57mmペアで採集した場所へ向かう途中、オオバヤシャブシの木を発見しルッキングしていると、ノコギリ♂を発見したのでロッドを駆使して採集します。

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一頭はロッドで採集(2枚目左58mmリリース)、見えないだけでまだいるのでは?と思い木を揺らしたところ、ボトボトとノコギリが落ちてきてここに来てようやく初めてノコギリシャワーに遭いました!!
全体的にサイズは小振りだったものの最大タイ66mmを採集し(2枚目右こちらはキープ)、そのまま前日のポイントとは別ルートへ行き採集します。


奥地まで行くとヤシャブシの群生があり、一本一本ルッキングしていると、さらに65〜66mm台を筆頭にいくつか採集できました!


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こちらも65〜66mmだったかと。


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こちらは大顎が強く湾曲した太めで短いタイプでした。63mmくらいだったかと。一緒にいた♀が大きそうでしたがロスト。この場所では♀は比較的少なめでした。


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神奈川東部では当たり前のようにいるこんな小型の♂は個体数の割には少なめ。木陰で休んでいたようです。



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こちらはすらっとしたタイプ62〜3mmと先ほどとは別の小歯♂。



この時点で2時間経過し、時刻は7時を回っており、採集しながらでは港に向かって歩かないと間に合わないと判断し、戻って昨日のポイントを回りながら港まで歩きます。


昨日のポイントに着くといきなり…
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ノコギリが落ちてくる落ちてくる😅
しかしながら最大は65〜66mmほどとまたこの壁が立ちはだかります。





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それぞれ別の木ですが、大島では珍しいコクワガタの♂を発見(ノコギリクワガタ採集記って書いてなかったっけ?と思いましたがコクワはお目当てではなくリリースしたのでいいでしょってことで😅)。コクワは潜洞性のクワガタなので洞のある木が少ない大島ではニッチを獲得しづらいのか個体数が少ないようです。
追加:アップしてすぐにコメントいただきました。大島のコクワはここ数年は特に珍しいものではなくなったとのこと。私みたいにこれくらいノコギリ見ていれば数頭はコクワが見れるくらいには増えているそうです。どちらにせよ神奈川東部と比べて環境が違うため個体数が少ないことに違いはありませんね。





採集終了時刻が迫って、この木でラストにしようと決めて木を揺すると、ノコギリがいくつか落ちてくるも特に大きくはなく…
それなりに数が落ちてきたので、もう一度強く揺らしてみるとこの個体が…!
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大顎の伸び具合を見ても一番大きそうな♂!
この画像では分かりにくいかもしれませんが、67mmは確実にあると判断し、100均ノギスで計測すると残念ながら目標であった70mmには程遠いものの67mmを超えていました。



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しかしながら、ここで採集終了となりました。
精密ノギスで最大サイズのノコギリを計測すると最後の個体が67.4mmと大型ではあるものの目標は未達成となってしまいました。ちなみに♀は37.6mmが最大でした。
初日はポイントがよく分からず6時間以上歩くもほとんどクワガタが見つからず苦戦しましたが、自らの足で渡り歩いた結果得られたポイントは無駄にはならなかったと思っています。次回来ることがあればポイントを絞り効率良く採集できればもう少し成果が上がるものと思われます。



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66mm台だと思った個体も後で精密ノギスで測り直してみると67.2mmありました。大島産らしい太短い個体でこれはこれで見応えがあります。


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今回最大67.4mm。
神奈川東部で採集していたら大喜びしてしまうレベルのサイズですが、残念ながらここは伊豆大島。アベレージサイズをわずかに抜けたくらいのレベルのサイズです。でも、誰がなんと言おうとも"己の脚で大島を歩いて採集した一頭"には他の人には決して分かることのない感動に似た何かがあります。
まあ、余裕で悔しいが勝っているんですけどね😅



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♀37.6mm
今回最大の♀。しかしながら40mm級が採集できる大島のノコギリとしてはちょっと物足りない一頭。ちなみに黒めです。


ここまでブログを見ていただいた方には申し訳ないのですが、ついには70mmupのノコギリは採集できず、目標未達となってしまいました。非常に悔しい思いをしましたが、いつか必ず70mmを裕に超える個体とイズミヤマを採集するべくリベンジに来たいと誓いました。


実は、採集終了後港に向かっていると非常に特大の大顎のない状態のノコギリの死骸が道路上に落ちており、すでにアリがたかっていたこともあり画像は掲載しませんが、大きさが気になりサイズを測ると翅先から頭部まで50mmありました。67mm台の個体は44mm前後だったので、この個体は間違いなく70mmを超えていたものと思われます。生きてる状態で見たかった…!



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最後に港で大島牛乳使用のミルクソフトを食べそのまま帰宅しました。八丈島行った時もソフト食べましたが、島の牛乳使ったソフトクリームは美味いですよね☺️

次回リベンジに来る時は魚好きの私としてはべっこう寿司食べたいですね!



◯最後に少しだけ今回の採集まとめ


この辺!って言うだけでポイントが分かってしまいそうなくらい探せば割とどこにでもいそうな印象。あまり標高が高すぎるとノコギリは個体数が減る模様。おそらく、比較的ニッチの被るノコギリとイズミヤマは標高で上手く棲み分けしているのではないかと思われる。
その境目も今回の採集であらかた絞れていますが勿論ここでは紹介しません。現地に行って渡り歩けば見えます。たぶんね🙄

ノコギリのみの採集のためノコギリのみではあるが…

♂の採集アベレージサイズは67mmに一つの壁があるように感じた。67mm以上から極端に個体数が減るような印象だ(全体採集数の10%未満?)。さらに70mmになると壁があるのだと想像すると伊豆大島とはいえ天候や運も必要になるだろう。やはり難易度はそれなりに高そうだ。

♀は、♂に比べて今回そこまで個体数が見れなかった印象。ほぼリリースしてしまったので画像はないが、35・36mm台は複数見ることができ、37mm台も採集できている。しかしながら、38mm以上が見られなかったので38mmに壁があるのだろうと思われる。

今回採集した(リリース個体含む)ノコギリたちを見ても傷のある個体があまりおらず発生初期だったのであろうと考えられる。ピークには一週間くらい遅いとちょうど良いのではないかと考えられる。



◯最後に


伊豆大島はクワガタ採集だけでなく、都心からこれだけ近いにも関わらず離島の雰囲気も存分に味わえますし、都会の喧騒から離れて優雅なひとときを過ごせること間違いありません。

私のブログでは以前、訪島・紹介した八丈島と合わせておすすめしたい島の一つになりました。




※注意

口煩く言わせて下さい。
他の記事でも言っているのですが、都心よりアクセスしやすいことから考えてもクワガタ採集に打ってつけの素晴らしい島だとは思いますが、逆に言えばそれだけ素晴らしい島になるまでに長い年月をかけて作られたことは言うまでもありません。
素晴らしき守るべき島の宝なのです。私たち人間がそんな島の宝を奪う瞬間は一瞬です。そんな島の宝を決して乱獲するようなことのないようにお願いします。この素晴らしき島がこの場所に残り続け未来に遺していけるように私は願っています。
最後にも言いますが、私が持ち帰ったノコギリクワガタは採集した個体の1割未満です。他の個体は全て藪の中へリリースしてすぐに見つからないようにしています。これは島の環境を直に感じ感謝し自然に返すことが後世に繋がると考えているからです。この気持ちはきっと訪れると分かるはずです。

ちなみに、自分が飼育できる数=乱獲ではないと個人的には考えています。(これだとそれなりの数になる方もいるような気がしますが例えば50ペアとか採集しても全部毎回毎回エサ交換して…って飼育しないでしょっていう話です)
定義はなくどちらも曖昧な数になるので具体的な数字は述べられませんが、参考に。



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この帰る時の雰囲気なんだか嫌いじゃないです。伊豆大島の大自然に感謝!


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それでは、これにて今回の採集記を締めたいと思います。


ps.今シーズン中にブログup完了して良かった〜
こういうのは忘れないうちに書いてしまわねば。
ぱぱっと書いてしまったので、後ほどじっくり確認し文などおかしいところがあれば後ほど書き直します。また、67.4mmの画像など後日撮影し直し差し替える予定です。



ではでは(・ω・)ノ